出席者=保 清人(登録ランドスケープアーキテクト)
保立美智子(株式会社M&H REパートナーズ ガーデン&ライフスタイルデザイナー)
倉田貴文(八王子市都市計画部土地利用計画課課長補佐)
コーディネーター=保 清人
[Discussion]
Vision of Hachioji After the 34rd National Urban Greening Hachioji Fair
Participant: Kiyohito Tamotsu [Landscape architect], Michiko Hotate [M&H RE Partners Corp., Garden & Life style designer], Yoshifumi Kurata [Hachioji City, City Planning Division Land Use Planning Division, Assistant manager], Coordinator: Kiyohito Tamotsu
緑化フェアのサテライト会場である西放射線ユーロードは、中央地域運営部会委員 (ユーロード沿道沿いの方々、ボランティア市民と商店会の集まり)で一年以上の 時間を費やし、地域の事情、流れ、ストリートの緑化を鑑みてランドスケープアー キテクトである保清人氏がアドバイザーとして修景デザインをしてきた。ユーロー ド、三崎町公園と中町公園のデザインに関しては、地域の現状を踏まえた上で中央 地域運営部会で考え、揉まれた数々のデザインを保氏が提案した。そこに八王子の みどり豊かな高尾にある“うかい”グループの店舗のガーデンデザインなどを手掛 けた保立美智子氏と八王子の森でNPOを立ち上げ、中山間地域の方たちとまちづく りをしている倉田貴文氏が加入し、ガーデンデザインの視点で公園のデザインが更 にブラッシュアップ。また、修景の元となる森資源の利活用、数々のワークショッ プが可能になった。この3名で緑化フェア後の八王子のビジョンついて語った。
八王子の環境を見直し、 身近にあるものを利用する
保:第34回全国都市緑化はちおうじフェア (以下「はちおうじフェア」という)のサテライ ト会場である西放射線ユーロ―ドの計画 は、元々、私が長年地域に入り込んでやっ ていたこともあって、「地域の価値を高める 緑を実現したい」という思いがありました。 しかし訪れる人から、「こう見えた方が良 い」という明確な基準がある保立さんの意 見は重要だと思いました。
保立:緑化フェアは毎年どこかの都市で行 われています。それを楽しみに全国を回っ ている方もきっといるのではないかと思い ます。では八王子として、どうおもてなし ができるかということを最初に考えまし た。西放射線ユーロ―ドは商店街ですので、 人の賑わいや生活があり、経済が生まれ、 地域の皆様に喜んでもらえるような仕組み づくりが重要です。そこを倉田さんがしっ かりやられていると思います。
倉田:私は、10年間まちづくり関係のコン サルタントをしていました。川の災害関係 が多く、市街地が中心でした。八王子市に 在籍してからは、都市計画の中で中山間地 域の振興ということで小津のまちづくりに 関わっています。小津は都市計画の制約や 交通の便などのさまざまな理由により、人 口減少と高齢化が進んでおり、20年後の八 王子の姿に近い状態と言えます。市では、 都市計画制度を活用し、そこの土地の使い 方を地域のニーズに合うように誘導するこ とで、地域の活性化を促しています。
保立:今回、はちおうじフェアに小津の森 の木(多摩産材)を使うというコンセプトが あります。こんなに素晴らしい木材が東京 の林業の中で確立されていて、そのような 職人がいてモノづくりをしていることをは じめて知りました。
倉田:昔は身近に木があって、自然と地域 づくりができていました。しかし昨今はグ ローバル経済が進む中で、地球の裏側から もってきた方が安い状況です。そこで、も う一度八王子をコンパクトに捉えなおし て、身近にあるものを利用していくことに よって、最終的には持続可能な社会をつ くっていくことにつながるのでは、と思っています。
保:倉田さんとは中心市街地のまちづくり で地域の人たちとワークショップを何年も 続けてきた経緯があり、皆が口々に言って きた“八王子らしさ”とは自然と都市が共存 する姿ではないかと考えていました。中山 間地域の魅力を中心街に表現することも今 回の私の担当する中央エリアのテーマに し、八王子に木の香りや緑にあふれ、花が 咲くようなまちづくりを狙っています。い きなり都市に森をつくるわけにはいかない ので、たねダンゴ®ワークショップなども 開催しました。まずは市民の方々に泥や種 に触れてもらい、その中でコミュニケー ションをはかり自然に触れ、緑や花の価値 を実感してもらいたいと思いました。この ようなイベントをフェアが終わっても続け て企画して、地域に愛着をもってもらえれ ば、まちにも当たり前のように緑や花が定 着するのではないかと思います。
倉田貴文(くらた よしふみ)
八王子市都市計画部土地利用計画課課長補佐。技…
